■埼玉県の結納について■
品数 7、9品
結納金の名称 帯料
結納金の金額 50〜100万
結納金額の基準 月給の3ヶ月分
品目 目録、長熨斗、金包(帯料)、末広、友白髪、子生婦、寿留女、勝男節、樽料
特徴  
結納及び結納返しのしきたり 埼玉の場合も東京都ほぼ同様であるが、ここでは古風を残している秩父地方(小鹿野町)の例を紹介する。ここでは結納のことをクチガタメともいっている。交わしかたとしては仲人が両家を往復するものと、仲人と両家の当事者が一ヶ所に集って取り行なう方法があり、現在後者の方が多くなっている。両家が一ヶ所に集まる方式の場合、婿方で結納品を調達して、会場に持参する。期日は大安吉日の午前中がよいとされ、全員がそろうと、仲人が口上を述べる。席順は図?のとおりである。口上を受けた両家では「ありがとうございます。本日の結納おくりにつきましては誠にお役目ご苦労に存じます」と挨拶。仲人は婿方の結納品を白木台に目録にしたがって並べ(床の間に飾ることもある)、嫁方の前に差し出し、口上を述べる。これを受けて嫁方の父親が目録書を拝見し、結納金をちょっとあらため、返しの口上を述べる。このときの作法は婿方と同様である。この後、両家では受け取った結納品を別室にてあらため、受書を書き仲人へ渡す。これで結納式は一応終了し祝宴となる。尚、嫁方からの「御袴料」は半返しが一般であったが、現在はあらかじめ婿方の結納金をその分差し引き、返しなしとすることが多い。
結納を納める前に行う儀式 現在は決まった儀式はないが、以前は仲人が酒一升を持ち話を決めた「樽入れ」が行われていた。
結納について 東京と同じで、七品、九品が一般的に利用されている。
結納時の土産について 結納時の土産は持参しない。
家族書、親族書について 家族書、親族書は都市部で半分位、郡部では使用しない方が多い。
結納当日について 平地では吉日をえらび結納の取交しが行われ簡単な酒宴を催し一部ではその日から嫁は婿方の家に泊りいわゆるアシイレをし結婚迄嫁同様に生活をした。
台地では結納とタルイレを同時に行い祝宴を行った。
山地では結納とタルイレを同時に行いアシイレを行い事実上の夫婦となった。
アシイレとは婚家の家事の見習い及び手不足の手助け等の意味がある。もし子供が出産すればその時点で入籍したが現在はアシイレは殆んど行われていない。仲人の祝儀は一万〜二万位、自宅で結納式を行う場合の費用は嫁方が負担する。出合いの場合は折半が多い。
お返し結納について 嫁方は婿方のものより一段下目のものを揃え当日交換する。
荷物納め及び土産について 結婚当日嫁の行列のあとからついて行く地方と行列の先頭にたって行く地方とがあったが、現在は家具店等の業者から直接届けることが多くなった。嫁方から荷目録を持参し婿方からは荷預り書を出した後酒肴でもてなす。祝儀は一日の日当分が多く、運転手、手伝人にも出す。
結納から結婚式までに行われる儀式  
結婚式について 嫁迎えがあるが現在は大変少なくなった。
・平地では午前中に仲人、本人、親戚、兄弟、隣組等七人位の奇数の人数で嫁迎えに出かけた。これをムコイチゲン又はイチゲンと呼ばれ親はついて行かない。嫁方でも親戚、隣組の人々を招き祝宴を開く。婿は宴の途中で先に家へ帰り嫁の到着をまちうける。宴が終り嫁方では行列をつくり家紋入りの提灯を持つ所と松明(タイマツ)を持って送り出す所もあった。この時花嫁の荷物は行列の後に続いて行く。行列が婿方へ到着すると松明を二本両側からかざし花嫁の頭へ菅笠をかざし乍ら花嫁は杖をついて勝手口から家の中へ入り結婚式を行った。
・台地では嫁迎えは平地と同じであるが、花嫁の行列が出発する頃荷物が婿方へ到着するよう先に出発した。
・山地では嫁迎えと一緒に結納品を持参する。他の行事は平地、台地と変わらないが、結婚式の際床ノ間に高砂の置物か、軸物を飾り豆腐のオカラで男根と女陰の形をつくり床ノ間に供えた。現在は一般にホテル、式場、公民館等の利用が多くあまり行われなくなった。
仲人への御礼