■京都府の結納について■
品数 5、9品
結納金の名称 帯地料
結納金の金額 50〜100万
結納金額の基準  
品目 目録、熨斗、寿恵広、帯地料、優美和、高砂人形、子生婦、寿留女、御樽料、松魚料
特徴  
結納及び結納返しのしきたり 結納は仲人一人が両家を往復する形を取るのが正式とされている。吉日の午前中、婿方の家へ出向き、結納品を受け取り嫁方へ向かう。嫁方では、両親と本人、親戚代表(1人か2人)が迎える。仲人は嫁方へ着くと一言挨拶をし、屋敷に通り、飾り付けが済むまで無言でいる。両親、本人が席に着いたら、座布団をはずし、扇子を前に置き、口上を述べる。嫁側は、昆布茶と紅白の饅頭を接待し、結納を受けると会席料理でもてなす。なお、受書と家族書、親族書、そして仲人への御多芽(礼金)を用意し渡す。御多芽は結納金の一割が基準である。嫁方からの結納返し(引き出結納という)は、荷物納めの時にする。袴料は結納金の一割、酒肴料は五分で、包は新しいものにし、目録とともに持参する。また指輪を受けた場合、その返礼として、タイピンやカフスボタン、時計等を贈ることも多い。
結納を納める前に行う儀式 「見合い扇子」男性側より女持ち金銀蒔絵付扇子一本(式当日色直しに持つ分)を箱に入れ、水引体裁為し白木台にのせ更に家紋入り塗り台の上にのせ小富久紗を掛けてわたす。女性側はモーニング扇子(金銀又は白扇)を男性よりの塗り台富久紗を用いて取り交わす。
結納について
目録  
一、熨斗 壱連
一、末広 壱対
一、帯地料 壱封
一、柳樽料 壱封
一、松魚料 壱封
一、寿留女 壱台
一、子生婦 壱台
一、友白髪 壱束
一、結美和 壱個
右之通幾久敷目出度 御受納被下度候也
結納品は九品で熨斗、末広、帯地料、高砂人形又は友白髪、子生婦、寿留女、結美和、柳樽料、松魚料である。子生婦と寿留女を略して七品の時もある。宛名は親同志の場合が多い。帯地料の一割を柳樽料を二、松魚料を一の割合で入れる。
(現物の酒と鰹で持参する場合、書き方が異なる)帯地料は養子の場合、袴地料となる
結納時の土産について 結納時の土産品は持参しない。
家族書、親族書について 結納の目録と一緒に家族書、親族書を片木台に乗せて出す。
結納当日について 婿方では当日は仲人に昆布湯と紅白上用饅頭を出し、出向く、嫁方では下座側に上より両親及び本人、兄弟、親族の順番で座り待ち受ける。又、当日婿方の仲人あるいは親権者が見えても玄関先では会釈程度に留め、言を交わさず座敷に案内する。
婿方では飾り終え、口上を述べ広蓋にのせた目録を渡す。嫁方は目録を受けた後、受け目録、お多芽紙、金封(帯地料の一割を包む)の順に目録台の上にのせ、婿方の広蓋にのせ、その上に婿方冨久紗をかけ、仲人にお礼の言葉と共に差し出す。
結納が納まった後は、お膳でもてなし、仲人万事済み次第、婿方へ無事に納まった事を伝え受書を渡す。婿方は当日の謝礼として嫁方よりの金封を仲人に渡し、お礼の言葉を述べ、もてなしをする。
お返し結納について 荷目録と袴料飾りは同時に納める事が多い。返礼結納としては、所謂袴返しで本人へのお土産を袴、呉服もしくは背広を、酒肴料と共に婿方よりの結納飾りより一、二回り小さい飾りと共に納めるもの。
荷物納め及び土産について 婚礼より一週間位前に荷物を納める。荷宰領が荷目録を持参する。引出結納と土産も同時に納める。嫁方から婿方の神仏、両親、兄弟等家族に対しお土産を納める。婿方は里帰り婿入時に持参する。身につけるものが多く、瀬戸物、茶器等は嫌う。今では代わりとして金子でする場合が殆んどで、帯地料の一割が一般的である。返礼結納の時の酒肴料として柳樽料、松魚料は結納時の夫々半額位封入する。近ごろは結納等にゆびわを頂く事が多いので、その返礼として時計又は装身具をつける場合が多い
結納から結婚式までに行われる儀式 婿婿の嫁迎えの儀式はないが、仲人の夫妻がそれぞれ婿、嫁を迎えに行く儀式があるが、最近はホテル、式場での挙式が多くなった為、仲人が直接式場に行くことが多い。挙式後、宴会迄に仲人の夫人と新嫁が婿方の家に行き先祖に報告礼拝する家庭がある。
挙式費用は婿方で美粧代は嫁方。披露宴は人数割が多い。親族だけの小人数の場合は全部の費用を六分四分で婿方が負担する場合もある。仲人に対しての御礼はまず上仲人には結納金の一割位と夫人に反物を添える位で、下仲人にはその五分位の額が多い。
式後一週間位の内に両家揃ってそれも午前中に広蓋に片木をのせた金封と熨斗、末広を添えて、帛紗を掛け紋入風呂敷に包んで差し上げる。この場合、道具は婿方のものを使用する。額は双方半額づつ負担する。
結婚式について  
仲人への御礼